ああ、どーも。USDの古株、在籍年数だけなら最古参になっちゃうネトゲ廃人っす。会社がまだ三ノ輪のマンションの一室にあった頃からここで働いてます。吉原とか山谷の隣町にあったんですよ。それが天下のSONYのお膝元、大崎に移転できたんだから、感慨深いもんです。

１．フローラを選ぶ方の人間なんすよ

僕は東京育ち。サッカー、水泳、陸上競技、ミニバスケット、空手など、スポーツ全般が得意の健康優良児で、オタクとは無縁の少年だったんです。せいぜい父親のPCに入っていたフリーゲームを遊ぶくらいで、基本外で遊ぶ子供でした。

中学に入ると器械体操部へ。「ガンバ！Fly high」という漫画の影響で、めちゃくちゃ体操が好きになって。学年ではトップの選手だったんですけど、2年になったら顧問の先生が転勤になって、部が消滅しちゃったんです。体操辞めたくなくて、指導できる先生を見つけてきては、夏休みだけという条件で体操部を復活させたり。今思えば行動力めちゃくちゃあったんすよね。できない技が猛練習の結果できるようになる。レベルアップしていく過程とか、できた時の達成感にエクスタシー感じる方の人間なんすよね。

レベルアップと言えば、中学の時はドラクエ5にはまったのを覚えています。嫁さんは迷わずフローラを選びました。ビアンカは主人公の幼馴染で、今は貧しい山村で病気の父親の面倒を1人でみている。一方フローラは大富豪の娘で莫大な資産を持っている。ふつうフローラを選びますよね。大冒険の旅に出ているのに、幼馴染という理由だけで不幸を一身に背負った女を旅の道連れにするなんて馬鹿げてますよ。当時から人を見る目だけは優れてたんすよ。

２．活発な方の引きこもりなんすよ

高校に進学すると、消滅していた体操部を復活させたりして、かなりリーダーシップを発揮してました。でも1年で中退することに。日本の教育制度に大きな疑問を感じちゃって、と言えば聞こえはいいんですけど、試験とかサボってたんすよね、勉強がつまらなくて。勉強のための勉強が好きじゃないんですよ、目的が曖昧だから。なんか親の敷いたレールに乗せられちゃっているなぁと思ってたし。その後は2か月間ガソリンスタンドでアルバイト。レールから外れると気持ちいいんすよ。あてもなく自転車で知らない土地を走ったりすると、「ああ今俺、冒険しているな～」っていう気持ちになるんですよね。「RPGの主人公みたいな生き方しているな」と夕日を見つめながらよく思ったもんですよ。

RPGのネットゲームにはまり出したのも、この延長なんです。中3の時からやっていたんですけど、レベルアップが簡単にできるプログラミングを自作したりね。目的がはっきりしているから独学でC言語を勉強しました。目的のある勉強は燃えるんです。だから引きこもりと言えば引きこもりなんすけど、結構活発にいろいろ動いてはいたんすよね。

その後通ったプログラミングの専門学校の先生から紹介を受けて、USDと出会うわけです。代表の上原もそこの卒業生だったんすよね。それで三ノ輪の小さなマンションの一室でエンジニア人生をスタートさせたってわけです。

３．東大生相手に講義しちゃう方の廃人なんすよ

19歳からUSDにいますんで、会社のことは他の誰より知っているつもりです。上原の大風呂敷とそれによってメンバー達が右往左往する姿なんかも。かく言う僕自身もその被害者の1人。2016年だったかな、上原から突然、「1週間後に東大へ行ってブロックチェーン技術について講義してこい！」と振られたんすよ。上原のことだから、東大の先生かなんかに頼まれて安請け合いしちゃったんだと思うんですよね。はっきり言って何も知りませんでしたよ。当然上原もね。でもね、目的がはっきりしているから、かなり燃えました。1週間徹底的に調べ上げて、東大の阿部教授、田中准教授、博士課程の助手さん相手に講義しちゃってるんですよね。付け焼刃の知識でね。

それでそのまま東大が進める「ブロックチェーン技術による電力融通研究」プロジェクトに参加することになっちゃった。田中准教授から「ブロックチェーンについては君がリードしてくれ」と言われちゃって、思わず「これから勉強します！」と答えてました。その時の准教授の呆れ顔、一生忘れないだろうな。

でも面白いすよね。高校を中退した現役の引きこもりエンジニアが、天下の東大の現役研究者達に講義しているんですもんね。東大生の質問に先輩面して答えている自分っていうのが、妙な気分になりますよ。

ブロックチェーン技術の権威みたいな扱われ方されている僕ですけど、基本はやっぱ廃人です。普通の日だと、14時出社の18時退社ですから。帰宅したら朝の3時くらいまでネトゲ。食事は基本インスタントラーメンと野菜ジュースのみ。だから引きこもりのネトゲ廃人なんですけど、ブクブク太ってない方の廃人でいられるんですよね。