見た目ほどにはワルじゃないよ、俺は。

長男

システムエンジニア

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一日のスケジュール

ん?お、おっと。また寝てたか。すまんすまん。
別にさぼってたわけじゃないぜ。睡眠時過呼吸症候群というやつで、眠りが浅くてよ。
20代のうちからこのシンドロームにはまり込んじまったから、仕事中もけっこうつらくてね。
さあ、何から話せばいいのかな。。

1.勉強もスポーツも万能だった俺が、ワルのほうへ堕ちていく

東京生まれの俺は勉強もスポーツもかなりできる方で、小学校時代からずっと女にはモテてきた。特に短距離走は学校では俺の右に出る奴はいなかったな。当然中学では陸上部に入るわな。100M、200M、走り幅跳びの選手として注目もされていたぜ。でもこの世の中には上には上がいるんだよな。東京一優秀な陸上選手だと思ってた俺はあっさりと挫折。中3になるとサッカー部へ転籍したってわけだ。
そんなことより聞いてほしい話がある。俺の育った町は東京の南のはずれ、蒲田というところ。まあヤンキーな街なわけだ。俺も13歳であれやこれやは覚えたぜ。それとスロットも中学時代から始めたね。周りのつるんでた奴らは相当悪くてね。本物になった奴もいるくらい。まあそんな荒れた生活を中学で覚えちまったからよ、都立で一番の高校に行くもんだとばかり思ってた俺も内申点が最悪でさ、結局私立の高校に入ることになっちまったんだ。


2.サッカーで持ち返した俺が、ニートのほうへ堕ちていく

高校ではサッカー部一筋。右サイドバックのポジションに入った俺は、サッカーにちと入れ込み過ぎたせいもあって、受験勉強の方はすっかりになっちまってよ。これじゃまずいんじゃないかと思ったんだ。もうサッカーとはすっぱり縁を切ろうと腹を決め、高校も2年で中退。大検を18であっさりと取得。案外簡単じゃねえかと思っちまったんだな。それからは勉強もしなくなり、結局大学へは行かずじまい。だってよ、勉強はできるんだけど好きじゃないんだ。勉強する意味が分からなくなっちまった以上、大学行っても意味ねえじゃねえか。やることもなくなっちまった俺は、ここから3年間ニート暮らし。ドラクエとかFFといったゲームにはまっちまったんだ。親からは「いつまでもスネかじってないで、何かしろ!」と追い立てまくられるし、ネットゲームで年越しをした時はさすがに自己嫌悪に陥ってよ、じゃあゲームが好きならそれを仕事にでもするか、ということでゲーム制作のカルチャースクールに通うようになったんだ。
プログラミングスキルは簡単に覚えられたよ。元々頭は悪い方じゃないみたいだ。それでも就職先は見つからなかった。どのゲーム会社も高校中退のニートは相手にしてくれねえんだとよ。結局日雇い仕事をしながら、パチスロで稼ぎ、その他は家でゲーム三昧の日々。こんなニート生活を26、27歳くらいまで続けることになっちまった。
そんなころだったな。親父が脳梗塞で倒れたのは。さすがにこのままじゃまずいと思った俺は、日雇いではなく、アルバイトとして週6回、平和島の倉庫内作業の仕事に就いたんだ。でも結局その金で飲んじまうんだな。週3~4回は朝まで飲む生活よ。30までこの生活を続けたんだけどよ、それにも飽きちまったんだな。


3.職を転々としてお気楽に生きていた俺が、USDのほうへ堕ちていく

30歳で初めて生業についたわけよ。ネットワークエンジニアだな。SES型の仕事でNECの本社に常駐することになった。こんなタイプの男、かの大会社では珍しかったんだろう、随分可愛がられたよ。この時期には一人暮らしを始めてたから金がかかる。でも手取りで貰える金はせいぜい17万だぜ。貯金もなんだかんだで使い果たしちまったからよ、バカバカしくなってくるんだな。4年くらいで辞めちまった。
これまでの人生を振り返るとよ、結局は流されて生きてきてたんだよな。将来のこととか人生のこととか真面目に向き合ってこなかったんだわ。なんとかなるさというポジティブさは、結局ろくなことにはならないんだ、っていうことに気付き始めたんだけどよ、ちょっと遅いわな。
その後は仕事が見つからず親から金を借りたり、就職しても長続きしなかったりで、中途半端に生きてきたよ。それでもよ、短い期間でPHPやRubyをマスターしたり、Pythonなんかもあっさり習得したり、エンジニアスキルだけは身につけてきてたみたいでよ、お世話になったいくつかの会社ではけっこう重宝がられてたんだよな。だったらいつまで契約社員として安月給で働かせるんじゃなく、さっさと正社員にしろ!っつうの。ほんと、腹の立つことが多い世の中だよな。
結局最後の会社を2018年の6月に退社した俺は、ロシアでやったワールドカップを全試合生中継で観ちまったよ。フランスの優勝を見届けた俺は、また職探しでもするかっちゅうことで、USDの求人広告を見て面接することになったんだわ。
会ってみると、とにかく大ざっぱな社長でよ、とりあえず俺の経歴は横に置いといて、Pythonのスキルがあるってことで採用すると言い出したんだ。いい加減な会社だなと思ったけどよ、俺の性に合ってるかもしれないと思ったよ。1つ言いたいのは、社長が俺の図体を見て、とにかく太らせようとするんだよ。食のパワハラだよな。この前、社長と一緒にカレー屋に行ったらよ、食い放題のナンを何十枚も俺に食わせようとするんだぜ。いいかげんにしてくれよな。

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